フィギュアスケート男子の羽生結弦(23=ANA)が、現在も氷上練習を再開できていないことが10日、明らかになった。グランプリ(GP)ファイナルから一夜明けたこの日、日本スケート連盟の小林芳子強化部長が名古屋市ガイシプラザで羽生本人の談話を発表した。

 「だいぶ良くなりましたが、まだ痛みがあるため、氷上練習は出来ていません。治療とリハビリを頑張っています」

 平昌(ピョンチャン)五輪代表最終選考会の全日本選手権(21~24日、東京・武蔵の森総合スポーツプラザ)出場は微妙な状況ではあるが、出場を前提として患部の回復に努めているという。羽生は11月9日のNHK杯公式練習で負傷し、右足関節外側靱帯(じんたい)を損傷。全治3週間と診断され、強化拠点であるカナダのトロントで療養している。

 仮に羽生が全日本選手権を欠場しても、世界ランク1位などの実績があり、選考基準で代表入りが確実とみられている。小林強化部長は「全日本に出てくれたらうれしいですが、それがその後どう影響するか、(羽生と)連絡を密に取っていきたい」とした。羽生にとって最大の目標である五輪を見据えた上での判断を尊重する構えだ。

 ◆フィギュアスケートの五輪選考基準 日本スケート連盟は6月に五輪代表の選考基準を発表。全日本選手権への参加は必須だが、「過去に世界選手権大会3位以内に入賞した実績のある選手が、けが等のやむを得ない理由で全日本選手権を参加できなかった場合、不参加の理由となったけが等の事情の発生前における同選手の成績を上記選考基準に照らして評価し、大会時の状態を見通しつつ、選考することがある」と注を明記。世界選手権14、17年金、15、16年銀、12年銅の羽生は、この条件をクリアしている。