“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”植草歩(25=高栄警備保障)が、逆転の連続で3連覇を飾った。20年東京五輪の会場を沸かせたのは準決勝だった。斉藤に残り1秒で1-2とリードされていたが、「何となくひらめいて出した」という右の上段回し蹴りが決まって一挙3点。試合終了と同時に4-2で勝利した。決勝も母校・帝京大の後輩、宮原に先制されながら、2-1としぶとく勝ち切った。

 「今日、私持ってましたね」と歩スマイルを振りまいたが、備えはあった。世界ランク1位だけに、海外の強豪から得意の中段突きを研究されている。そこで今年からテコンドーの道場に通って、苦手だった蹴りを磨いてきた。1月、パリの国際大会準決勝で喫した1敗だけで17年を終えた。「今年は変化の年。来年は改革の年にしたい」。植草はさらなる進化を目指す。