関学大は、関西勢として11年ぶりの黒星を喫した。試合終了まで2分を切り、エンドゾーンまで残り35ヤードからの第4ダウン。6点を追う展開に迷わずギャンブルを選択したが、QB西野のパスがインターセプトされた。攻撃権とともに反撃の機会も失い、逆転のチャンスは消えた。「勝利で飾ってあげられなかったのは一生の心残り」。OL井若主将が号泣した。

 泥くさくはい上がって聖地に立った。関西学生リーグ最終節で立命大に完敗。「自分たちは弱い。挑戦者だ」と井若主将を中心に約200人の部員の覚悟を固め、再戦となった西日本代表校決定戦でリベンジ。同リーグ優勝校以外で初めて甲子園ボウルへ。だが、2連覇は遠かった。第1Q1分11秒に幸先よくQB西野の2ヤードTDランで先制したが、ライン戦で力負けし、相手のランに翻弄(ほんろう)された。鳥内監督は「負けたのは自分の責任。向こうは(選手が)若いから天下が続くんちゃうかな」と日大をたたえた。

 そして、新たな戦いが始まる。3年生のQB西野が「来年は見返せるように1回も負けたくない」と言えば、RB山口も「2度と負けない。今年みたいな悔しい思いはしたくない」と涙を拭った。差はたった1TD。聖地の借りは、聖地で返す。【中島万季】