来年2月の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)でメダル候補に挙げられる高梨沙羅(21=クラレ)が、4位にとどまり5戦ぶりに表彰台を逃した。1回目に93・5メートルで3位につけたが、2回目は93メートルで2回合計216・0点で順位を落とした。これで自己ワーストを更新する8戦連続で未勝利とW杯(ワールドカップ)個人総合トップのルンビ(ノルウェー)ら外国勢に後れを取っている。

 まさかの光景だった。高梨が4位にとどまり5戦ぶりに表彰台に届かなかった。これで自己ワーストを更新する8戦連続で勝利から遠ざかり、目指す同競技で歴代単独最多54勝目も逃した。W杯で初勝利を挙げ、ジャンプ台別でも最多7勝を挙げる“自分の庭”だったが、勝ったルンビに飛距離換算で約23メートルもの大差をつけられた。「札幌から蔵王にジャンプ台が変わり(助走路で)自分のポジションに落としきれなかった」と悔しそうだった。

 1回目に93・5メートルを飛んだが飛型点が伸びず3位。2回目は珍しく風が安定し、向かい風をもらったものの助走路でスピードに乗れず93メートル。2強の一角アルトハウス(ドイツ)が出場しなかったが、異次元ジャンプをそろえたルンビだけでなく、他の外国勢にも後塵(こうじん)を拝した。「少しのミスも許されない。自分のやるべきことをやっていきたい」と話す。

 厳しい現実を突きつけられたとはいえ、決して下は向かない。今日20日は初代女王に輝いた団体戦を迎える。「力を合わせていい結果を目指したい。足を引っ張らないように頑張る」。屈辱もすべて力に変えて、きっと復活してみせる。【松末守司】