世界72位の大坂なおみ(20=日清食品)が、4大大会自身初のベスト16入りを果たした、同17位のバーティ(オーストラリア)に6-4、6-2のストレート勝ち。12本のサービスエースをたたき込み、1度も自身のサービスゲームを落とさない快勝だった。4大大会の日本女子としては00年の杉山愛以来、18年ぶりの16強入りとなった。4回戦では同1位のハレプ(ルーマニア)に挑戦する。

 バキッ! マッチポイントで大坂が放った12本目のサービスエースだった。ラケットが折れそうな音を発し、相手のコートに突き刺さった。1度もサービスゲームを落とさない快勝劇に「地元の選手に勝って申し訳ないけど、本当にうれしい」と笑顔を見せた。

 今大会を含め4大大会の3回戦に進んだのは6度目。その中で最高のテニスを披露。第1セットの第1ゲームで相手のサービスゲームを破ると、その差を最後まで維持。6-4で先取すると、第2セットは一気に4ゲームを連取し突き放した。「過去の3回戦ではナーバスになりすぎた。今回は前向きさを忘れず、ポイントごとに集中した」と精神面の成長を強調した。

 オフシーズンに「本当にきつかった」という体力トレーニングで、7~8キロのダイエットに成功。動きが鋭くなり、左右に振られても軸がぶれずに粘れるようになった。以前は攻撃一辺倒で、守備ができず、追い込まれるといちかばちかのむちゃ振りで凡ミスを築いていた姿はもうない。

 体重は減ったが、持ち味のパワーは健在だ。この日放った最速サーブ時速191キロは、今大会の女子で2番目に速い。速度だけではない。横回転をかけたスライスサーブで相手を外に追い出すなど、技も身に付け、相手を揺さぶった。

 16年全米3回戦で、最終セット5-1から逆転負けし涙を流した。17年全米3回戦では予選から勝ち上がった選手にフルセットで敗れ、自分に腹を立てた。一時は40位にまで上げた世界ランクも現在は72位。それでも経験を積んで、あふれでる才能がついに開花した。

 今季から、長年女王S・ウィリアムズの練習相手を務めたベージン氏がコーチに就任。女王学を伝授されている。「この大会に優勝しに来た。まだ止まるわけにはいかないわ」。次戦の世界1位ハレプ(ルーマニア)との一戦さえ、大坂には通過点だ。

 ◆WOWOW放送予定 21日午前8時55分から。午後4時50分から。ともにWOWOWライブ。生中継。男女シングルス4回戦ほか。