世界72位の大坂なおみ(20=日清食品)が力尽きた。同1位のハレプ(ルーマニア)と対戦し、3-6、2-6のストレート負け。大会の日本女子として00年杉山愛以来、そして自身初の4大大会8強入りは持ち越しとなった。しかし、29日発表の最新世界ランクでは53位前後に浮上予定で、再びトップ50が見えてきた。

 大坂の快進撃が止まった。世界女王の壁にはね返され、念願の8強以上はならなかった。第1セット、先にチャンスを握ったのは大坂だった。5回のブレークポイントを握りながら、1度も奪えず。逆に、相手に1度のブレークを許し、そのままストレートで敗れた。

 オフシーズンに7キロの減量に成功。体が動きやすくなった分、コート上を走れ、粘ることが可能になった。リスクしかない攻撃一辺倒に、安定性が加わり、凡ミスが減った。「今は安定性を出すことが大事。時速160キロのショットはいらない」。その新たなスタイルで16強入りを遂げた。

 ただ、攻守を覚えると切り替えが難しい。選択肢が増えれば迷いも出る。この日は、その隙を突かれた。過去、2度の戦いは、大坂の攻撃一辺倒がセットを奪った。しかし、先を考えた時、守りを入れたこの日のストレート負けこそ成長としての意味がある。

 今のテニスが進化すれば、ツアー初優勝、トップ10も十分に可能だ。昨年までは、小さな大会になると、集中力が激減。それも、守備を学んだ現在のテニスなら起きにくい。最初の4大大会でブレークした大坂の新たなスタイル。今年が大坂の年になる予兆のような気がする。

 ◆WOWOW放送予定 23日午前8時55分から。午後4時50分から。ともにWOWOWライブ。生中継。男女シングルス準々決勝ほか。