ショートプログラム(SP)首位で13歳のアレクサンドラ・トルソワ(ロシア)が衝撃的な演技で初優勝を飾った。

 フリー153・49点を記録し、シニアを含めて世界歴代5位の合計225・52点をマーク。国際スケート連盟(ISU)公認大会で、女子では安藤美姫以来となる4回転サルコーと、女子史上初の4回転トーループに成功。同じプログラムで2度の4回転ジャンプを決めたのも、女子では初めての快挙となった。

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダリストのザギトワ、銀メダリストのメドベージェワと同門の13歳が、世界の歴史を変えた。冒頭の4回転サルコーは2・00点(満点は3点)の加点を導く好ジャンプ。さらに続く4回転トーループを女子では世界で初めて成功させ(加点は0・57点)、流れに乗った。演技後半には高難度のルッツ-ループの連続3回転を成功させるなどノーミスの演技を披露。リンクを出るとコーチのねぎらいを受けながら、あどけない表情で笑顔を見せた。

 合計225・52点はメドベージェワ、ザギトワ(ともにロシア)、オズモンド(カナダ)、金妍児(韓国)に次ぐ世界歴代5位の高得点。優勝したものの、4回転サルコーに失敗した昨年12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナル後には「優勝できて良かったけれど、4回転サルコーが跳べなくて残念」と悔しがっていた。22年北京五輪に向けて、世界を引っ張る逸材となりそうだ。

 日本勢はSP3位の山下真瑚(15=グランプリ東海ク)がフリー128・38点の合計195・17点で銅メダルを獲得。SP8位の横井ゆは菜(17=愛知・中京大中京高)が合計184・78点で6位。SP4位の紀平梨花(15=関大KFSC)は2度のトリプルアクセル(3回転半)に挑んだものの、いずれも空中で抜けるミスとなり合計175・25点で8位となった。