フィギュアスケート男子の無良崇人(27)が16日、現役引退を発表した。この日、浅田真央さん座長のアイスショー「浅田真央サンクスツアー」会見の席で自ら口を開いた。

 「自分の中では今季をもって引退する方向で考えていた」。平昌五輪出場を目指し、集大成のシーズンに臨んだが、昨年12月の全日本選手権で3位となり、代表に選ばれなかった。ただ、五輪の補欠選手としてぎりぎりまで調整を続けた。「五輪で(羽生)結弦がショート(プログラム)を滑り終わった時点で自分の役目は終わったと思いました」。男子シングルの日本代表3人が無事滑るのを見届け、選手生活の幕を下ろした。

 コーチである父の隆志さんには、15日に「明日会見するけど、今までありがとう」とあらためて感謝の思いを伝えた。「この年齢まで嫌な顔一つせず教えてくれたおやじには感謝している」。親子で五輪に行く夢はかなえられなかったが、「そういう支えがあったからここまでこられた。次のステージで恩返ししたい」と話した。

 今後はプロスケーターとして活動するとともに、指導者の勉強も始める予定だ。