世界ランク44位の大坂なおみ(20=日清食品)が、決勝で同19位のダリア・カサキナ(20=ロシア)を6-3、6-2で破り、ツアー初優勝を飾った。

 大坂は立ち上がりはショットが安定せず、第1セット第1ゲームを奪われるスタートとなったが、次第にエンジン全開。第7ゲームをキープすると、そこから4ゲーム連取。力強いショットを武器にカサキナを揺さぶり、ポイントを重ねた。

 最後まで勢いは衰えず、第2セット第8ゲーム、40-15からバックハンドを決めて待望のツアー初優勝を手にした。大坂は派手なガッツポーズをすることなく、淡々とした表情でネット際へ歩み寄り、カサキナと健闘をたたえ合った。

 試合終了後の表彰式では終始笑顔がたえず「カサキナ選手、おめでとう。これからもよろしくね」と言うと、会場はドッと沸いた。さらに家族やスポンサーへの感謝の言葉とともに「ボールキッズも最高だったわ」。ひとしきり言葉を並べた上で最後に「史上最悪のスピーチね」と自虐的に締めると、太陽のような笑顔が輝いた。

 ハイチ出身の父と日本人の母を持つ大坂。強靭な肉体を武器に、1回戦で元世界1位のマリア・シャラポワ(ロシア)を破って勢いに乗ると、準決勝では現世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)も倒した。

 ツアー制覇は日本人選手では11人目。今回のBNPパリバ・オープンは4大大会に続くクラスの「プレミア・マンダトリー」に当たり、日本人選手としてはこのクラスで初めての優勝となった。優勝賞金は約1億4750万円。