世界44位の大坂なおみ(20=日清食品)が、日本女子で初めて4大大会に次ぐ大会を制する快挙を達成した。同19位のダリア・カサキナ(20=ロシア)を6-3、6-2のストレートで破り、自身初のツアー優勝を快挙で飾った。優勝スピーチでは、慣れていないのか、大坂の天然ぶりがさく裂。埋め尽くした観客に「ハロー!」と呼びかける異例のあいさつでスタートし、何度もお礼を言う相手を考えながら、「こんなスピーチ、過去最悪よね」とはにかんだ。

 大坂はマッチポイントでバックのスイングボレーを決めると、左手で小さくガッツ。この日、初めて笑顔を見せ、「マッチポイントが決まった瞬間は何が起きたか分からなかった」。関係者の席に駆け寄ると、ベージン・コーチや、日本テニス協会の土橋登志久強化本部長ら、スタッフと抱き合った。

 大坂は、第1セットの3オールから3ゲームを連取し、主導権を握った。準決勝でV・ウィリアムズを破った相手の鉄壁の守備を、持ち味のパワーで破壊した。第2セットは1度も自分のサービスゲームを落とさず、わずか70分、涼しい顔で“準4大大会“のビッグタイトルを手にした。

 大坂は1回戦で、元女王のシャラポワ(ロシア)をストレートで破ると波に乗った。2回戦では、元世界2位、準々決勝では元世界1位で現5位、準決勝では世界1位のハレプ(ルーマニア)を破り、金星の嵐で初優勝に突き進んだ。

 日本女子がシングルスでツアー優勝するのは、15年10月にルクセンブルクオープンの土居美咲以来11人目で、27度目となった。

 この優勝で、大坂の世界ランキングは自己最高の22位にまで上昇する。