平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で3個のメダルを獲得した高木美帆(23=日体大助手)が1500メートルを1分56秒36で制し、自身初のW杯種目別総合優勝を果たした。出場した5レース全勝で、日本勢の同種目の総合優勝は初。今季の全種目の得点合計で争う総合優勝も日本勢で初めて達成し、飛躍を遂げた五輪シーズンを最高の形で締めくくった。女子マススタートで平昌五輪団体追い抜き金メダルの佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が優勝した。

 フル稼働したシーズンの最後のレース。心身ともに疲れを隠せない中でも、高木美は最後まで脚を止めなかった。「伸びていく感じを大切にした」と、持ち味の大きな滑りで圧勝。世界トップクラスのスケーターに成長したシーズンに、さらに1つ勲章を加えて華やかに締めくくった。

 オランダの実力者、レーンストラと最終組で同走。最初の300メートルで0秒20のリードを奪って主導権を握ると、相手に差を詰めさせなかった。最後の1周も懸命に逃げ、終わってみれば0秒87の大差を付けた。荒れた呼吸を整えながら、両手を上げて歓声に応えると「いい形で締めくくることができて良かった。W杯で勝ち続けられたのは、実力が付いている証しでもあるし、素直に喜びたい」と穏やかな表情で振り返った。

 今季は3000メートルで、日本勢初優勝を果たし、五輪で銅メダルを獲得した1000メートルでも、表彰台の常連に成長した。全種目での獲得得点でも、世界の頂点に立った。今月の世界選手権を欧米選手以外で初めて制した日本のエースは「どの種目も高いところに立ち続けられたと感じる。自信を持ちながら、固執しすぎず新しい、より良いものを追求したい」とさらに上を見据えた。