世界33位の錦織圭(28=日清食品)が、苦しみながらも3回戦進出を決めた。同96位で予選勝者のミルマン(オーストラリア)を7-6、4-6、6-3のフルセットで下し、3回戦では同6位のデルポトロ(アルゼンチン)と対戦する。錦織のマスターズ大会勝利は、昨年5月のイタリア国際(ローマ)以来10カ月ぶりとなった。大坂なおみ(20)は敗れた。

 サーブの不調に苦しみながら、錦織が相手を振り切った。先週のBNPパリバオープンを、風邪による体調不良で欠場し、「1週間半は寝たきりだった」。約1カ月ぶりのツアー大会出場だったが、3時間近い接戦を制した。「大変な試合だった。最後はようやく攻め切れた」。

 第1セットを奪ったことがすべてだ。第1サーブが入らず、2-5の大ピンチ。そこから合計5本のセットポイントを握られた。それをすべてはね返し、追いつきタイブレークで先取。第2セットは落としたが、最終セットで突き放した。

 世界4位だったころの力を100とすれば、まだ50以下だ。右手首の腱(けん)の脱臼から復帰し、ツアー3大会目。「せきが治っていないので、まだ長い打ち合いはきつい」。ただ、復帰当初から比べれば、持ち味のフォアの威力が戻ってきた。

 次戦は、先週のBNPパリバオープンで今季無敗だったフェデラーを下し、マスターズ大会初優勝を遂げたデルポトロと対戦する。デルポトロも左右の手首を計4度手術。14、15年の2年間で、6大会しか出場できないどん底から復活した。錦織は挑戦者としてコートに立つ。