男子バスケットボール日本代表候補に史上最年少の15歳で選出された田中力(神奈川・坂本中卒)が、将来のNBA入りを目指して米国留学することが8日、分かった。日本協会関係者が認めたもので、進路はテニスの錦織圭も在籍したフロリダ州ブラデントンにあるスポーツ選手養成学校、IMGアカデミー。その入学手続きが最終段階に入っているという。

 田中は3月9日に横須賀市にある坂本中を卒業。IMGの寮には8月から入寮し、3年間バスケットボールと勉学の両立に励む学校生活をスタートさせる。

 NBAに近づきたいという思いから、他の海外のバスケットボールアカデミーよりも米国にあるIMGを選択。14年以降、3人の卒業生がNBAのドラフトにかかっている環境に身を置き、自身の夢に向けて前進する。錦織も留学した全寮制の同校には、バスケットボールで日本人学生が在籍した例はあるものの、トップレベルの選手が入学するのは初めてだという。

 田中の米国挑戦を伝え聞いたBリーグ幹部は「若いうちから海外でのプレーを経験するのは本当に良いこと。頑張ってほしい」とエールを送った。

 ◆IMGアカデミー 1960年に発足したスポーツマネジメント会社IMGが運営するスポーツ選手養成学校。名テニスコーチのニック・ボロテリー氏が72年に設立したアカデミーを87年にIMGが買収。東京ドーム約50個分にもなる約500エーカーの広大な土地にバスケットボール、テニス、ゴルフ、野球など8つのスポーツ施設があり、世界85カ国以上から約1200人の生徒が学ぶ。授業料とスポンサーの収入で運営する私学だが、1週間単位の夏季キャンプなどは誰でも参加できる。バスケットボールの主な卒業生は8度のNBAオールスター出場を誇るビンス・カーター。

 ◆田中力(たなか・ちから)2002年(平14)5月4日、青森・三沢市生まれ。2歳から7歳まで米国で過ごし、神奈川県横須賀市へ移住。諏訪小4年からバスケットボールを始める。坂本中2年の都道府県対抗ジュニア決勝で34得点を挙げ優勝、最優秀選手。17年10月にA代表候補に初招集。家族は米国人の父、母礼子さん、3歳上の兄バートン・デュエイン・シャンサー・ジュニアさん。英語が堪能。187センチ、72キロ。