美人茶道家が、柔道男子日本代表に「和の心」を伝授した。約440年の伝統がある遠州茶道宗家の13世家元の次女、小堀宗翔さん(28)が18日、都内の遠州茶道宗家で柔道男子代表へ茶道指導した。

 小堀さんは男子選手15人にお辞儀の仕方や茶の器の持ち方など一連の所作を約1時間指導。茶室の畳で、初めての所作に戸惑う選手に1つ1つの意味なども丁寧に教えた。「アスリートには『世界で戦うために』日本文化を知って、伝えてほしいという願いがあります。柔道は礼に始まり、礼に終わる。選手の礼の仕方やあいさつも自然でした。共通する部分もあり、楽しい時間でした」と振り返った。

 学生時代はラクロスと剣道に没頭した。学習院大時代からラクロスを始め、全日本選手権優勝や13年W杯出場などの実績を持つ。今もクラブチーム「ミストラル」に所属する現役選手で、平日は茶道、土日はラスロスに打ち込む。「(教室に参加した)海老沼選手らは年齢が近くて、親近感がありました。同世代の友達もアスリートが多く、自分もスポーツをやっているので柔道も大好きです」。

 茶道の中でも「美」や「アスリート」を追求した茶会も行う。メンタル強化などを目的に茶道を取り入れる競技は、その他にもあるという。「『茶道=お堅い』イメージがあると思いますが、まずはお茶を飲むことから始めてほしいです。『静と動』が大切で、茶道の「静」から(柔道や運動の)「動」にする反応を得られ、良い方向に進むはずです。柔道も茶道と同じ古き日本文化。ともに世界へ、同じ文化を発信し続けていきたいです」と期待を込め、満面の笑みを見せた。