柔道の世界選手権女子78キロ超級銀メダルの朝比奈沙羅(21=パーク24)が社会貢献活動を行う。

 21日、体重無差別で争う全日本女子選手権(22日、横浜文化体育館)の前日会見に出席。試合当日、会場に小児在宅人工呼吸患者とその家族ら13人を招待することを明かした。朝比奈は豪快な柔道を見せることで「(患者さんに)少しでも元気や勇気を届けられたら。最後は笑顔で終わりたい」と話した。

 麻酔医の父と歯科医の母を持ち、幼少期からの夢が五輪金メダルと医師になることだった。高校時代から患者の子どもらとボランティア活動を通じて触れ合ってきた。先月28日には本格的に医学部受験に向けた勉強時間確保のために、柔道界では異例の東海大に在学しながら実業団のパーク24に所属することを発表した。来春の大学卒業後は医療系の予備校に通いながら20年東京五輪を目指す予定で、五輪後の20年12月に現役引退の意向を示している。

 会見には、7日の全日本選抜体重別選手権決勝で敗れた素根輝(17=福岡・南筑高)も同席。今大会は9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表の最終選考も兼ね、朝比奈は「昨年の世界選手権で負けてから、借りを返すという覚悟でこの1年やってきた。(世界選手権の)銀メダルが価値あるものになるよう死ぬ気で挑みたい」と、2連覇に向けて並々ならぬ覚悟を語った。