日本レスリング協会は22日、都内でアジア大会(8月・ジャカルタ)代表選考試合を行い、女子68キロ級の代表に源平彩南(21=至学館大)が内定した。昨年12月の全日本選手権後に優勝者をアジア大会代表とすることが決まったが、同級優勝の土性沙羅(23)が負傷のため辞退。この日、3選手でリーグ戦のプレーオフを行い、2勝した源平が代表の座を射止めた。

 伊調馨(33)らへのパワハラが認定された栄和人氏(57)が日本協会の強化本部長を辞任し、新体制で臨む初の「代表選考試合」。新任の西口茂樹強化本部長(52)と赤石光生強化副本部長(53)が見守る中、全日本65キロ級優勝の源平が同2位の森川美和(18=日体大)、72キロ級優勝の松雪成葉(18=至学館大)の2人を破った。森川は1勝1敗、松雪は2敗だった。

 これまで、女子の代表選考では強化委員会の意向が優先されてきたが、西口本部長は「より公平で、透明性のある選考を」と男子同様の分かりやすいシステムにしていくとした。新体制で行われたプレーオフに、視察した日本協会の松浪健四郎副会長は「勝てば選ばれるというのは分かりやすい。この緊張感もいい」と満足そうに話していた。

 この日は、伊調のコーチとして栄氏のパワハラを告発した田南部力氏(43)も森川のセコンドとして参加した。すでに昨年から日体大で女子のコーチを務めていて「教えている選手が出るので、セコンドで来ただけです」と話し、告発内容については「内閣府の調査結果が出ていないので、何も言えないんです」と言葉をにごしていた。