B1新潟アルビレックスBBは28、29日の第30節、三遠ネオフェニックスとホームのアオーレ長岡で対戦する。チャンピオンシップ(CS)進出をかけた重要な一戦、PG五十嵐圭(37)がリーダーシップを発揮する。残り5試合で中地区3位の新潟とCS進出圏の同2位名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのゲーム差は3。連勝が必須の状況で、これまでプレーでけん引してきた大黒柱が言葉でもチームメートを叱咤(しった)し、スパートをかける。

 華麗なフォームから繰り出す3点シュートに、スピードに乗ったレイアップ。三遠戦に向けた練習で見せるPG五十嵐のプレーは普段通りだ。ただ、内面は変化している。「CSに出るため、僕が引っ張る」と堂々と宣言。名古屋Dは今節、中地区6位の横浜と対戦。名古屋Dが連勝すれば、新潟は三遠に1勝1敗でもCS進出が絶たれる。「CSだけでなく、負け続ければ(勝率下位4チームによる)B1残留プレーオフに回る可能性もある。緊張感と危機感を持たないと」。昨季は残り5試合の時点でCS進出の可能性は消滅していた。今季はまだチャンスがある。「だから、この状況を楽しまないと」とチームメートの闘争心をあおる。

 行動はすでに起こした。連勝した前節島根戦、ハーフタイムで今季初めてチームメートに向かってげきを飛ばした。「今、負けるわけにはいかない。もっと集中しよう」。温厚な性格で感情をむき出しにすることも、チームメートに強い口調で話すこともほとんどない。精度の高いプレーを追求し、背中で訴えてきた。

 前節に続いて今節もソフトなイメージを自ら覆す。「もし、集中力が欠けているようだったら試合中に言うつもり」。三遠戦でもチームを鼓舞する言葉を用意してある。同時に「3点シュートをきっちり決めたい」と三遠のゾーンディフェンスを意識し、自身のショットの成功率を高めようとする。

 自らにとっても旧NBL三菱電機名古屋時代の15-16年以来のCS進出争い。「40分間集中すれば勝てる」。ぎりぎりの戦いに臨む闘志をあらわにした。【斎藤慎一郎】

 ◆チャンピオンシップ(CS) 東・中・西の3地区の上位2チームと、ワイルドカードとしてその6チームを除く成績上位2チームの計8チームが出場権を得る。前節29節終了時点で東地区は1位千葉、2位A東京、西地区は1位琉球、2位京都が確定。ワイルドカードでは東地区の3位川崎、4位栃木が出場権をすでに得た。新潟が所属する中地区では優勝を決めている1位三河がCS進出を決めており、残りは中地区2位の1枠。