女子の日本が3大会連続で決勝進出を果たした。準決勝で、韓国、北朝鮮による南北合同チーム「コリア」と対戦し、3-0で勝利し、金メダルへあと1勝に迫った。3日に合同チームが結成され急きょ、注目の一戦となったが、伊藤美誠(17=スターツ)、石川佳純(25=全農)、平野美宇(18=日本生命)の3人は冷静に試合を運び、銀メダル以上を確定させた。今日5日の決勝で中国と対戦し、47年ぶりの世界一を目指す。

 ざわつく世界を日本の3人娘が黙らせた。準決勝で日本は、即席で結成された南北合同チームを圧倒した。先陣を切った伊藤が、田志希(韓国)を3-0で破ると、主将の石川はリオ五輪で敗れたキム・ソンイ(北朝鮮)を大接戦の末、撃破。平野も梁夏銀(韓国)を退けた。注目された一戦で、全員がここまで無敗だった日本が強さを示した。伊藤は「自然体でやれた。実力が上がってきている」と納得した。

 南北首脳会談の「板門店宣言」を受けてスポーツ界にも融和ムードが流れ、3日に準々決勝で対戦するはずだった韓国、北朝鮮が合同チームを結成することが、急きょ決まった。91年にも南北合同チームで優勝したが、その時、出場が決まったのは大会の約1カ月前。大会期間中、しかもメダルを懸けた戦いで、ルールを変更してまで合同チームで出場するのは前代未聞といっていい。

 各国メディアも高い関心を示し、会場は異様な雰囲気に包まれた。日本選手も準々決勝前に勝てば対戦することを聞かされた。石川は「気にはしていなかったが、大きなハプニング。プレッシャーがかかったが、団結力を強められたし、見せられた」と見えない重圧を振り払い、涙した。

 47年ぶりの世界一へ、決勝で宿敵、中国と対戦する。厳しい戦いが予想されるとはいえ、「目標は金」と公言してきたように決してひるむことはない。堂々、金メダルを奪いにいく。