【パリ=吉松忠弘】男子テニスで、世界21位の錦織圭(28=日清食品)が完全復活ののろしを上げた。昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼。約5カ月の実戦離脱から、今年1月下旬に復帰。当初は感覚がつかめなかったプレーだが、4月のマスターズ・モンテカルロ大会で準優勝し、一気に復活に向け前進した。復帰後から今までについて、そして27日開幕の全仏オープン(パリ)に向け、日刊スポーツの独占インタビューに答えた。

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 -クレーになって、一気に復活してきた

 錦織 (モンテカルロの準優勝は)びっくりでしたよ。まだ手首も治ってなかったし。(それまでは)ほぼ、フォアハンドなしでやっていたような感じだった。

 -手首が治っていない?

 錦織 (脱臼のは)治っています。ほかの小さな痛みです。ずっと固定していたので。弱くなっているのは確かで、手だったり指だったり、いろんなとこに痛みが来ている。ただ、そんな大げさなやつではない。手術とかいうレベルのやつじゃないので。いつもある、ほかの場所でも出るようなやつです。

 -モンテカルロで吹っ切れた感じか

 錦織 感覚が急に戻ってきましたね。クレーに入って。1回戦が終わった後ぐらいから、何となく感覚が戻ってきて。(3月の)マイアミまで、ちょっとボールとの感覚がつかめなかったりというのが、ほぼなくなった。ラケットは振れるようにもなってきたし。たぶん、そういう感覚が戻ってきたから、攻撃的にプレーも出来はじめたのかなと思います。

 -何の感覚が失われていたか

 錦織 全部ですね。フォアやバック(のストローク)も、何か入るという自信がないとスイングができない。ボレーも最近、ようやく(感覚が戻ってきて)よくなったし。ただ、怖くて振り切れないというのが、最近はなくなってきました。

 -何が大きく変わったのか

 錦織 ミスが減りましたね、単純に。今までは絶対に入れてたボールが、なかなか復帰後の何大会かは入らなかった。あんまり感覚がつかめなかったり。ボールとの距離だったり、何かこう、しっくりいかない部分がありました。たぶん、クレーで、よりラリー戦も増えて、こっちの方がタイミングも取りやすい。だから、そういった面ではストロークに自信がついてきているのは確かですね。

 

◆WOWOW放送予定 27日(日)~6月10日(日)。全仏オープン連日生中継。第1日は無料放送。