日本大が２３日、都内の同大本部で、アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則で関西学院大の選手を負傷させた問題で、内田正人前監督（６２）と井上奨コーチ（３０）が会見を開いた。

　井上コーチは、宮川泰介選手（２０）が前日２２日に開いた会見の中で、５日の練習後に「監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、『相手ＱＢを１プレー目でつぶせば出してやる』と言われた。『ＱＢをつぶしに行くんで僕を使ってください』と言いにいけ」と言われたと語った件について聞かれ、「ケガを目的とした指示はしておりません」と強調した。

　同コーチは会見の序盤で「ＱＢをつぶしてこいと言ったのは確かです。ケガをさせる目的では言っていない。それくらいの気持ちでいってこいと言う意味で言いました」と明言した。宮川選手が５プレーで３度反則して退場した件については「僕はＤＦラインのコーチで（反則を）見ておりました。１プレー目で正直、向こうにボールが行って、僕の思いとはちょっと違うなと思った。ベンチに呼び戻すなり交代させれば良かったと終わってから思った」と指導者として反省の姿勢を見せた。

　その上で、宮川選手に相手ＱＢをつぶせと指示したことについて「彼にその試合でやらせたかったことは、最初からスタートしてガムシャラにやって欲しかった。そのために何が必要か…最初から闘志を出してやることとか、いろいろな意味が込められていると思い、『つぶしにいけ』と言った」と繰り返し、自己の指導の正当性を訴えた。【村上幸将】