日本大が23日、都内の同大本部で、アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則で関西学院大の選手を負傷させた問題で、内田正人前監督(62)と井上奨コーチ(30)の会見を開いた。井上コーチは「QBを倒せ」という発言を認めたものの、故意でケガをさせる意味合いは否定した。以下、一問一答。

-井上コーチになんと指示したのか

 内田 普段の練習で「失敗を恐れないように」と全てのコーチに言ってまして、「まず失敗は誰でもするんだから。失敗を許せ。その上で失敗の次にしっかりやってくれ」とそういう指示していました。ルールを基本に、ルールを守ることを原則として我々はやっています。その中でいろいろな指示はしますが、とにかくルールを守って選手もコーチも練習もしています。そして練習中に強いタックルとかどうしてもある。危ないときはコーチは注意しております。我々はルールを厳守として、コーチは選手に愛情を持って親身になって選手を育てる毎日の練習でございます。

 内田 これは言い訳になってしまいますが、その時ボールを見てしまいまして、宮川選手のプレーを見ていない。そしてアッと気づいたときにはあれよあれよで次のプレー次のプレーとなったのが正直なところです。本来全体を見なればならない役目なのですが反省すべきところです。

 -試合後なぜ注意をしなかったのか

その時、ビデオを見るまでどの程度の反則なのか、というのが分からなくて。最後のラフプレーは分かりました。小競り合いですので。その時は抜け落ちていたのが正直のところです。

 -宮川選手が「QBつぶすので出して下さい」と申し出たことに対して「やらなきゃ意味ないよ」と言った

 内田 たしかに僕は50ヤード付近にいた。彼が何を言っているのか分かりませんでした。3~5メートルのところに来て帰って行った。その時の会話はなかったです。

 -「やらなきゃ意味ないよ」とはどう意図か

 内田 本当に申し訳ないのですが、言ってないと思います。

 -試合前のセレモニーで宮川選手に対して井上コーチが「できませんでしたじゃすまないぞ」と言った

 井上 セレモニーの時に彼のところに行って、「試合が終わって『何もできませんでした』じゃあかんぞ。やってこい」と彼に言いました。僕としては、彼に思いっきりやってほしかった。思い切りスタートして、タックルして彼への僕からの課題だった。いつもと違うプレーをしてほしいという意味です。

 -彼にケガをさせる目的で言ったのか

 井上 ケガをさせることを目的としてはやっていません。ただ「QBをつぶしてこい」といったのは確かです。

 -ケガをさせろといったわけではないのか

 井上 ケガをさせるような目的では言っていません。それくらいの気持ちで行ってこいと僕は言いました。