日本大アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則問題を調査してきた関東学生連盟の規律委員会が「反則は監督とコーチの指示」と認定する方針を固めたことが25日、関係者への取材で分かった。反則を指示していないという日大の内田正人前監督と井上奨前コーチの主張を退けた。

 調査結果を受け、関東学連は5月中に臨時理事会を開いて日大の処分を決める。罰則規定には<1>除名<2>資格剥奪<3>団体活動の一時的または無期限停止<4>公式試合の出場停止-などの処分がある。

 規律委は反則をした宮川泰介選手や、内田前監督、井上前コーチら指導陣に聞き取り調査をした。関係者によると、宮川選手は指示があったと話したのに対し、内田前監督と井上前コーチは指示を否定したという。

 しかし内田前監督が試合後、チームに「自分がやらせた」「俺がやらせたんだと言え」と話したとされることや、報道陣に反則を容認するような言葉を発していたことから、規律委は内田前監督の反則指示と判断したとみられる。

 井上前コーチがしたとされる「相手のQBと知り合いなのか」「相手のQBがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」などの発言も、反則を前提としたものとみたようだ。

 東京都内で25日に記者会見した日大の大塚吉兵衛学長は一連の騒動について「本学に責任がある」と謝罪した。反則指示の有無については「第三者委員会にまとめていただこうと考えている」と具体的な言及を避けた。

 この問題では、スポーツ庁が24日に日大の常務理事らと面会し、第三者委員会の速やかな設置と事実解明を要望。負傷した関西学院大の選手側は大阪府警に被害届を提出した。移送先の警視庁が傷害容疑を視野に捜査を開始している。