日大アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則問題で、日大教職員組合は11日、文部科学省で会見を開き、5月31日に田中英寿理事長(71)宛てに提出した理事長など上層部の一新を求めた「要求書」の署名者数が9日までに752人分集まったと発表した。会見後には集まった署名を同大人事部に提出した。執行委員の吉原令子副委員は「アメフト部だけでなく日大全体の構造の問題。授業で学生たちから頑張ってと言われ涙が出た」と改革への手ごたえを語った。

 署名活動は要求書を出した当日から行い、日大、付属高の教員を対象に組合員がいる学部などで行った。専任教員だけの署名は650人で約38・6%に上った。また、学生、保護者、他大学の教員などからも「署名したい」との声が上がっており、今後は第2弾として教員以外からも署名を募る予定で「反田中」の動きが、広がりを見せていることを強調した。

 同組合は、大学のオープンキャンパス来場者が前年比6割減の学部もあるなど影響が出ていると明かし、後藤範章委員は「大学のトップを切るということにこれだけ賛同してくれている。これは政治的な側面を考えても重い」と話した。

 一方で「報復人事の恐れがあり怖い」との声もあり、署名の公開、非公開の意思確認をしたが、組合員がいないなどで賛同を得られなかった学部もあった。実際、都内の高校から東北の高校へと転勤させられた前例もあるとし、慎重な姿勢もみせた。後藤氏は「田中理事長は会見し、説明する必要がある。その上で責任を取るべき」と述べた。