ホンダは6月19日、2019年からレッドブル・レーシングにパワーユニットを供給することで合意したと発表した。

 現行パワーユニット規定が維持される2020年までの2年契約。

 ホンダの八郷隆弘社長は「来季は2チームへPUを供給することで、より多くのデータ収集が可能となり、開発のスピードアップに繋げることができます。また、なによりもレッドブル・レーシング、トロ・ロッソ、両チームと強力なパートナーシップを築くことにより、我々の目標である勝利へさらに近づくことができると思っています」と語った。

 エナジードリンク企業が所有する同チームは2006年から参戦を開始した若手チームながら、2010年から4連覇を達成。パワーユニットが現行規定となった2014年以降はルノー製パワーユニットの性能不足に苦しみながらも複数の勝利を挙げ、今季もモナコGPと中国GPですでに2勝。車体性能ではトップクラスとの呼び声が高い。

 ホンダが今季からパワーユニットを供給しているトロロッソの兄弟チームであり、レッドブル・レーシングはホンダの性能・信頼性の向上を確認しながら、今年4月から正式な交渉を開始していた。

 その交渉の主体となった山本雅史モータースポーツ部長は、勝利を目指した提携だと話した。

「なによりうれしかったのは、『どうやったら一緒に勝てるか』ということが、どんなときも議論の中心にあったことです。Toro Rossoも含めて、本当に純粋なレーシングチームだと感じています」

 ホンダはレッドブルとトロロッソの両方と分け隔てなくワークスチームとしてパワーユニットの開発・供給を行なうというが、何年間もトップチームであり続けているレッドブルと組むことでホンダの表彰台や優勝争いが現実的なものになることも事実だ。

「ご存知の通り、過去にいくつもタイトルを取ってきているチームで、ここ数年もコンスタントに勝ち続けているチームです。シャシー性能が優れていることはだれの目にも明らかですし、勝利に向けた可能性が高くなるという点では、我々Hondaにとっては大きなチャンスです。プロジェクトに関わる全てのメンバーのモチベーションがこれまで以上に上がると思っていますが、同時に大きなプレッシャーや責任を伴うことも事実です。ただ、高い目標に向けてチャレンジを続けてこそのHondaですし、それがF1に挑戦を続ける理由だと思っています」(米家峰起通信員)