国内初のスポーツクライミング3種目(スピード、ボルダリング、リード)複合の大会、複合ジャパン杯が盛岡市で開幕し、女子は地元盛岡市出身の伊藤ふたば(16=TEAM au)が予選を1位で通過し、24日の決勝に駒を進めた。

 女子予選は、壁を駆け上がる速さを競うスピード、完登(かんとう)した壁の数を競うボルダリング、到達した突起物(ホールド)の高さを競うリードの順に行われた。伊藤は、最初のスピードで自己新記録の10秒26をマークし1位。続くボルダリングでも第1課題を1撃(1度目のトライで完登すること)し、全4課題で「ゾーン」と呼ばれるボーナスを獲得し3完登。ボルダリングでは2位につけ、最後のリードも3位に入った。

 複合では3種目それぞれの順位をかけ算して総合順位を算出する。伊藤は1位、2位、3位の順位を掛け合わせて6ポイントとなり、総合1位で予選を通過した。予選を終え、「コンバインド(複合)はどこかで気を抜いたりすると順位が下がってしまうので、全部を全力です。ボルダリングで集中力が切れてしまったところは反省」と完登とはならなかったボルダリングの第3課題に悔しさをにじませた。この日の盛岡市の最高気温は28度。スピードとリードは屋外で行われたこともあり、伊藤は「暑さの中でも集中して、1種目1種目にフォーカスしていきたい」と決勝に向けて引き締めた。

 普段のW杯等の大会では、1日に3種目全てを行うことはないが、東京五輪が3種目の複合で争われることから今回国内では初めて開催された。8月のジャカルタ・アジア大会、9月の世界選手権(オーストリア)でも複合が行われるなど、東京五輪に向けて複合を取り入れる動きも出始めている。ジャカルタ・アジア大会代表の伊藤は昨年の世界ユース選手権で複合を経験しており、今大会が2度目。「去年複合を1度経験したからといってそんなに変わらない。(1日に3種目をやるのは)疲れましたね。体力をどんどんつけていかないと」と今後を見据えて冷静に話した。

 24日の決勝には、男女予選上位6人ずつが進出する。女子決勝は午前9時30分から、スピード、ボルダリング、リードの順に行われる。