女子の野中生萌(21=TEAM au)は総合3位で24日の準決勝に駒を進めた。自身初めて3種目を行う複合の大会に出場し「やってみてすごく疲れました」と疲労のたまった両腕をプルプル振りながら明るく言った。

 女子予選は、壁を駆け上がる速さを競うスピード、完登(かんとう)した壁の数を競うボルダリング、到達した突起物(ホールド)の高さを競うリードの順に行われた。スピード日本ランキング1位で9秒37の日本記録をもつ野中は、1本目のゴールタッチで痛恨のミス。2本目を10秒80でまとめ、この種目2位とする。続くボルダリングでは3完登し3位。最後のリードでは4位と、3種目の順位の掛け合わした総合ポイントを24とし、3位で決勝進出を決めた。

 3種目を1日でこなすため、種目間の休憩時間は約20分ほど。野中は「前の種目の疲労回復ができなくて、アップもそれぞれ違う場所なので、いつもの感覚とは違った。マックスレベルを3種目やることに体は対応できたけれど完全じゃない。しんどかった」と苦笑いしながら振り返った。

 24日の決勝に向け「今日のスピードの1本目は感覚では9秒前半が出ていたと思う。決勝では持ち味の速さを出して、9秒前半、8秒台にも行きたい。そうすれば(第2種目の)ボルダリングにも余裕ができる」と得意のスピードでの雪辱を誓った。