「柔道界のロナウド」がまさかの結果に終わった。3年ぶりの優勝を狙った筑波大は決勝で東海大に1-2で敗れた。決勝は73キロ級野上廉太郎(20)がメンバーから外れ、応援に回った。

 涙目で畳上のベンチに座った。サッカーポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドを意識した髪形で独特の雰囲気を漂わせる野上は、仲間へ声援を送った。代表戦までもつれたが準優勝に終わり「チームの結果以上に自分自身に腹が立つ。本当にバカ。肝心な時にチームの力になれず、何やってるんだろうという気持ちです」と振り返った。

 国士舘大との準決勝は先鋒(せんぽう)で出場したが、81キロ級釘丸将太(21)に一本負け。その影響もあり、決勝はメンバー外となった。「力の差があった。フィジカル強化の課題が明確に見えたし、そうしないと(激戦区の73キロ級で)戦えないと強く思った」。

 昨年は全日本ジュニア体重別選手権準優勝、全日本学生体重別選手権制覇など充実した1年でもあった。また、柔道家でありながら尊敬する人物の1人に「ロナウド」を挙げる。「周囲に何も言わせないような圧倒的な存在感と持ってる感じが好き。自分も柔道界でロナウドのような存在になりたい」。

 先月、遅刻により丸坊主にした。ロナウドも同時期にたまたま丸坊主にして「びっくりした。自分は反省の丸坊主だったけど、ちょっぴりうれしかった」と苦笑い。今夜のサッカーW杯日本代表戦は自宅でテレビ観戦する。「日本のチーム力を見せてほしい。いつか、ポルトガル代表との試合を見てみたい」と心待ちにした。