日本大保険体育事務局は17日、悪質な反則問題があったアメリカンフットボール部について、監督・コーチ指導者選考委員会から、前日16日の委員会で内田正人前監督(62)の後任として選考された候補者1名について報告があったと発表した。

 候補者については、関東学生アメリカンフットボール連盟の理事会と連盟検証委員会にも同日、報告している。新監督には強豪・立命館大でコーチを務めた実績がある橋詰功氏(54)が内定したことが関係者への取材で判明しているが、現時点では公表を差し控えるという。

 同委員会は、選考した理由として「候補者が平成30年7月7日付で当委員会が公表させていただきました選考基準に最も合致すると評価された点にあります」とした。選考基準として発表されているのは、以下の4点。

(1)選手の自主性・独立性を尊重した抜本的なチーム改革をする能力が高いと評価できる

(2)選手やチーム内にアメリカンフットボールを通して品格や倫理観を浸透させるための具体的な方法論を有している

(3)選手との相互理解を基盤とする時代に適合した指導力があり、教育的な観点や視点から指導をする能力があると評価できる

(4)常に学ぶ姿勢や意欲を持ち、周囲から信頼されている。

 選考委員会は「なお本日、一部報道機関により候補者に冠する報道がなされておりますが、当委員会としては候補者名も含め正式発表は一切しておりません」とした。主要コーチ陣については、新監督候補者が選考委員会と協議の上、選考基準を実現できる人物を選考するとした。

 立命大OBの橋詰氏は1994年に立命大コーチに就任。米オクラホマ大への1年間のコーチ留学を経て、攻撃コーチとして2003、04年の日本選手権、ライスボウル2連覇に貢献した。立命大の付属高でも指導経験があり、現在は滋賀・立命館守山高のコーチを務めている。新指導陣の公募には69人の応募があり、元京都大監督の水野弥一氏(78)も推薦されていた。

 またアメリカンフットボール部は同日、一連の問題について関東学生アメリカンフットボール連盟からの通知に従い、チーム改善報告書を作成し提出したと発表した。報告書は「チームとしての原因究明、並びにそれを踏まえた再発防止策の策定及び実施についてまとめた内容」だという。