柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)で2連覇を狙う男子100キロ級のウルフ・アロン(22=了徳寺学園職)が19日、験かつぎとして胸毛をそる意向を示した。

 千葉・浦安市で行われた了徳寺学園の壮行会に出席。ウルフは悩んでいた世界選手権での“胸毛問題”について「験かつぎにするために見た目もきれいにしてから行こうと思っている。汗もかくし、胸毛はない方が見ている側からも涼しく見える。清潔感を大事にしたい」とそる考えを示した。

 昨年の世界選手権では、大会直前に自慢の胸毛をバリカンで刈って初優勝した。験かつぎとして、今年もそるべきか悩んでいたが、胸毛に一目ほれた女性ファンから「永久脱毛はやめてください」と書かれた手紙をもらうなどして、これまでは左右の片方を刈る「ハーフ&ハーフ」に留めていた。しかし、6月に男子代表の井上康生監督(40)から高性能の脱毛クリームを勧められて、一度試すと「あっという間にツルツルになった。クリームの方が楽だし効率的だと思った」と好感触を得た。

 男性アスリートの脱毛は決して珍しくない。近年、男性専用の脱毛サロンも増えて、脱毛するスポーツ選手も増加傾向にある。清潔感だけでなく、競泳選手は水の抵抗を減らすため。サッカーやラグビー選手は、テーピングを剥がす際の予防や毛による摩擦から肌を守るためなどの理由で脱毛している。

 ウルフは今年1月に左膝を手術し、6月に実戦復帰したばかり。世界選手権の最終選考である4月の選抜体重別選手権を欠場し、今年の代表権は昨年の実績を評価されて選出された。現在の状態は8割程度と言うが「今年は実力で(代表権を)勝ち取ったわけではないので、何としても勝つという気持ちが強い。容姿は爽やかに、試合は泥臭く勝つ」と意気込んだ。