香川幸允(ひでよし、30=テアトルアカデミー)が29選手で争われた一般男子組手を制した。

 決勝戦の相手は、昨年12月の全日本選手権を制した渡辺大輔(28=日本空手松涛連盟)。上段突きで先制したものの、連続してポイントを失って1-3。再び上段突きなどで4連続得点して5-3としながら、終盤に2点を失って5-5で試合は終わった。20年東京五輪(オリンピック)へ向け、今大会から世界空手連盟(WKF)の統一ルールが採用されたことで、先制した香川の4年ぶり3回目の優勝が決まった。

 「う~ん、出来は60点ぐらいですかね。1度逆転されてからまくったのはよかったんですが…。でもここにきてようやく勝ち方を取り戻せてきました」。香川は額に汗を浮かべて試合を振り返った。

 昨年7月のワールドゲームズ(ポーランド)84キロ超級を制して世界に存在感を示したが、それ以降は細かい故障が続いてスランプに。完治しないまま試合に出続けたことで変な負け癖がついてしまっていた。それも体調の回復とともに解消され、今年6月のWKFプレミアリーグ(トルコ)で5位。今月から五輪出場を決めるランキング争いがスタートしたが、その最初の大会になったアジア選手権(ヨルダン)で準優勝と復調している。

 最重量級の日本のエースは当然、2年後の五輪を視野に入れる。「あとは勝ちを決定づけるポイントを取りきること。終盤にリードしても守りに入らないことです。やることをやっていけば(五輪の)可能性は十分にあると思います」。192センチ、115キロの香川がより大きく見えた。【小堀泰男】