男子シングルスの桃田賢斗(23=NTT東日本)が、・ダレン・リュー(マレーシア)を2-0で下し、日本男子として五輪、世界選手権を通じて初の決勝進出を果たした。

 金メダルをかけ、5日の決勝は世界ランク3位の石宇奇(中国)と戦う。桃田は「過去の先輩たちが挑戦してきた歴史有る世界選手権で新しい記録に挑戦できることをうれしく思います。全力でがんばります!」と抱負を語った。

 冷静に勝ちを引き寄せた。第1ゲームの入りで、「緊張してあわててしまった」と5点を失うが、足を動かした粘り強い守りですぐに流れを引き寄せ、21-16で先取した。第2ゲームは、相手が集中力を欠き、完全に桃田ペース。ショットが狙ったところに気持ちよく決まり、最後は10連続ポイントで圧勝。「相手のタイミングを外しながら、自分のペースにもっていくことができたのが勝因」と満足そうに振り返った。

 リオ五輪直前の16年4月に、違法賭博の店に出入りしていたことが発覚。無期限の試合出場停止処分を受けたが、その間、謙虚に練習や社業に取り組み、17年5月に処分が解除された。さらに今年から日本代表にも復帰。ネット前のヘアピンショットに代表される持ち前の高い技術に、フィジカルの強さが加わり、282位からスタートした世界ランクをたちまち6位にまで上げた。

 今年に入り、五輪3度の銀メダリスト、リー・チョンウェイ(マレーシア)、世界ランク1位のアクセルセン(デンマーク)ら強豪を次々撃破。下馬評通り、順当に決勝に駒を進めた。決勝の相手は中国の22歳、石。4月のアジア選手権で1度対戦し、2-1で勝っているが、「すべてのスキルがトップレベル」と警戒し、「気持ちで負けないように足を動かして自分らしく戦いたい」と気を引き締めた。