日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、警視庁が内田正人前監督(63)と井上奨前コーチを任意で聴取していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。2人とも反則行為の指示はしていないと説明しているという。同庁は傷害罪の共謀共同正犯や教唆犯に当たる可能性もあるとみて、今後も2人から事情を聴き経緯を慎重に調べる。反則をした宮川泰介選手(20)からも事情を聴く方針。

 内田前監督と井上前コーチは、5月23日の記者会見で意図的な反則の指示を否定。捜査関係者によると、2人は警視庁の聴取に対しても会見と同じ趣旨の説明をしているという。

 問題の行為は5月6日、関西学院大との定期戦で起きた。パスを投げ終え無防備な状態だった関学大選手が背後からタックルされ、約3週間のけがを負ったとされる。

 宮川選手は5月22日に記者会見し、内田前監督や井上前コーチの指示に従ったと説明した。関学大の選手側は5月31日、傷害容疑で前監督と前コーチを警視庁に告訴。警視庁はこれまでに他の選手らから聞き取りを行い、試合の映像解析も進めている。

 関東学生連盟は6月、反則を指示したとして内田前監督と井上前コーチを永久追放に相当する除名処分とすることを決めた。2人は異議を申し立てている。日大は7月、大学職員の2人を懲戒解雇処分と決定した。