国際テニス連盟(ITF)は16日、米オーランドで総会を開催。19年からの国別対抗戦デビスカップ(デ杯)の大幅改革案を承認した。新方式は、サッカーのスペイン代表DFジェラール・ピケが創設した大手投資会社「コスモス」が提案し、同社がデ杯に25年30億ドルの出資を行う。同社は、楽天の三木谷浩史会長兼社長が支援する。

 デ杯の大改革に、賛否両論が渦巻いた。4大大会を開催する4カ国のうち、米国とフランスは賛成、英国とオーストラリアは反対票を投じるなど真っ二つに割れた。強豪国のチェコやドイツも反対。巨額マネーの原資がどこから来るのかが不透明とされ、不信を募らせた国は反対を表明した。日本は賛成したとみられる。

 特にオーストラリアは、選手、関係者、協会すべてで反対キャンペーンを繰り広げた。ウィンブルドン覇者で同国男子代表監督のヒューイットは「金で(デ杯を)釣った」と批判。60年から70年代にかけて4大大会7度の優勝を誇る同国のニューカムは「デ杯の死」と痛烈だった。

 現役のナダル(スペイン)、ジョコビッチ(セルビア)、マリー(英国)らは賛成している。ITFのハガティ会長は「新しいイベントは、選手、ファン、スポンサーにとって最高のエンターテインメント」と胸を張る。19年11月の決勝の舞台は、マドリードかリール(フランス)が予定されているという。