北海道コンサドーレ札幌カーリングチームが今夏、発足した。J1コンサドーレ札幌がクラブとしてサッカー以外の競技に参加するのはバドミントンに続いて2例目。北見市を拠点に、道内男子チームとして初となる22年北京オリンピック(五輪)を目指す。キーマンとなる阿部晋也(38)、平昌(ピョンチャン)五輪8位のSC軽井沢クから移籍した清水徹郎(30)がシーズンに向けて意気込みを語った。【取材・構成 西塚祐司】

 Jクラブとカーリング。前例のないコラボによる、北海道コンサドーレ札幌の挑戦が始まった。昨季日本選手権準Vの実績を持つ阿部、松村、谷田、相田によるチーム「4REAL」に、「SC軽井沢クラブ」の一員として平昌五輪を経験した清水が加わって結成。5人がそろい、8月から活動している。

 阿部 やっとスタートラインに立てた。コンサドーレの名前があり、今までと反応が全然違う。知り合いから連絡があったり、練習場まで歩いている時も声をかけられるようになった。

 清水 北海道の方から応援されているとすごく感じますね。

 初陣となった、どうぎんクラシック(今月3~5日)では3位。準決勝は1点差で敗れ、決勝進出はならなかった。練習は1週間程度、ぶっつけ本番といっても良い状況で臨んだ。

 阿部 内容はすぐに良くなる要素もあった。まだお互い探りながらやってるので、練習量や実戦を積み重ねて解決できる。

 清水 今までのチームとはコミュニケーションの取り方などが違うので、カラーを知ることが出来た。これから強くなる手応えがありました。

 SC軽井沢クが平昌五輪で日本男子チームとして初めて自力出場(長野五輪は自国開催枠)を果たした。連続出場を続け、注目度の高い女子の一部チームは企業名を背負、全面支援を受ける。男子は常に資金面で苦戦してきた。阿部自身、かつて自費で海外遠征を行った。今後はクラブから強化費のバックアップを受け、活動の幅を広げる。

 阿部 ここが僕らの手が届かなかった部分だった。本来、海外遠征は最低でも1カ月で3~4大会に出て、格上のチームとの対戦を繰り返す。でもこれまでは2大会が限界でした。(今の)強化費は僕らのステージで十分な額です。

 最大の目標は22年北京五輪。来春の世界選手権出場権を獲得した場合、ACLを目指すJ1札幌と“世界共闘”が実現するかもしれない。まず11月のパシフィックアジア選手権出場をかけ、9月30日からのチームIWAI(札幌国際大)との代表決定戦に臨む。

 阿部 国内のライバルを見ていたら今までと一緒。海外で地力をつけた上で、日本でしっかり勝つことが大事。今季の目標は「日本一」と言っているが、さらに上のゴールを常に目指していきたい。

 清水 強くなる可能性を感じてここにきた。僕としても、もう1度五輪に行きたいです。