ノルディックスキー・ジャンプ女子で平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)銅メダルの高梨沙羅(21=クラレ)が20日、欧州遠征から成田空港に帰国した。

 参戦した夏のグランプリ(GP)で4戦全勝。残り3戦を残すが総合7連覇を大きく近づけている。22年北京五輪に向けた最初のシーズンで最高の滑り出しを図り、表情は明るい。

 「技術を見直してゼロから初めているので、春先からいろんなことを試しながらやっている。4戦で結果を出せたということは、やっていることが実を結んでいるのかな」と手応えを話す。

 今季から女子全体の技術向上もあり、昨季までは数戦しかなかったラージヒルが10戦も行われる。ノーマルヒルと交互に行われることも多く、ジャンプ台への対応力がより求められる。

 以前は、夏シーズンのジャンプトレーニングは、ミディアムヒルとノーマルヒルだけだったが、今季はすでにラージヒルを40本飛び調整を重ねきた。「スピードが違うので切り替えが大事」と話す。

 ルール変更もあり、スキー板が昨季よりも3センチ短くなった。感覚の違いが生じるが「始めは戸惑ったが、今は慣れてきた。スキーの操作性は上がったと思う」と自分のものにしている。

 うれしい知らせもあった。4年後の五輪で、混合団体が新種目に採用されることが決まった。これまで、女子は五輪では個人戦1戦だけだったが、これからは複数メダルを狙えることになる。初実施された13年世界選手権では、日本の代表として出場し、金メダルを獲得しており、新たな種目でも金メダル候補に浮上する。「そこに自分が選ばれたらしっかり役割を果たしたい」と今から心を躍らせる。

 7月のスロベニア合宿中に中学生以来となる前髪を下ろした新ヘアスタイルにした。自らハサミで前髪を切り、リニューアルを施したと言う。「気分転換がしたくて。意味はないですよ」と笑顔。4年後へ、身も心もニューバージョンで新シーズンに突入している。「平昌で果たせなかった結果というものをしっかり目指していきたい」。今度こそ輝くメダルをつかむため、4年間で新たな境地を切り開いていく。

 今後は、今夏の国内初戦となる26日の塩沢ジャンプ大会(新潟)に出場する。