世界ランキング19位の大坂なおみ(20=日清食品)が男女を通じて日本初となる4大大会シングルス優勝の快挙を成し遂げた。「こどものころから夢見ていた」憧れの同26位のセリーナ・ウィリアムズ(36=米国)を6-2、6-4で破り、全米オープンを初制覇した。アジア勢でも初となり、優勝賞金380万ドル(約4億1800万円)を獲得。わずか11度目の4大大会本戦出場で7試合を勝ち抜き、大会後の世界ランキングで95年に伊達公子がマークした4位に次ぐ7位に浮上し、自身初のトップ10入りを果たす。

好調なサーブとストローク、そしてセリーナのミスもあり第1セットは6-2で先取。第2セットは一進一退の攻防となり、第4ゲームをセリーナが先にブレーク。しかし、第5ゲームでセリーナが連続ダブルフォールトするなどミスが続出してブレークバック。セリーナは自分のふがいなさにラケットをコートにたたきつけて破壊したが、この行為に対してこの試合2度目の警告が与えられた。このため、第6ゲームで大坂に1ポイントが与えられ、冷静さを欠いたセリーナに対し第7ゲームもブレークした。セリーナは1度目のコーチングでの警告に対して抗議を続けたため、ペナルティーで第8ゲームは大坂の勝利となった。目に涙を浮かべたセリーナは第9ゲームを意地でラブゲームでキープしたが、第10ゲームを大坂がキープして第2セットも連取し、快挙を成し遂げた。

大坂は「セリーナをみんなが応援していることを知っている。こんな終わりかたですいません」と思いやり、「セリーナと全米の決勝で戦うことが夢だった。それがかなってうれしい。プレーしてくれてありがとう」と感謝した。

大坂は1回戦で同146位のラウラ・シグムント(ドイツ)を6-3、6-2で下し、2回戦は予選勝者で同162位のグルシュコ(イスラエル)を全く相手にせず、6-2、6-0のわずか50分でストレート勝ち。3回戦では同33位のサスノビッチ(ベラルーシ)に6-0、6-0の50分で完封勝ち。4回戦では同20位のサバレンカ(ベラルーシ)を6-3、2-6、6-4の2時間1分で下し、自身初の4大大会8強入り。準々決勝では同36位のレシア・ツレンコ(ウクライナ)を6-1、6-1で下し、日本女子初の4強進出。準決勝では同14位のマディソン・キーズ(23=米国)を我慢のテニスで6-2、6-4で下し、日本女子では全米、4大大会とも初の決勝進出を果たしていた。

これまでは沢松和子が73年全豪、伊達公子が94年全豪、95年全仏、96年ウィンブルドンで4強進出しているのが日本女子の最高。男子は錦織圭の14年全米準優勝が最高。