池江璃花子(18=ルネサンス)が、ジャカルタ・アジア大会MVPの力を披露した。

同大会後初レースとして、少年A女子400メートルリレーに東京代表として出場。決勝では第3泳者を務めて、6番手で引き継ぐと、圧倒的なスピードを見せて5人抜き。トップでアンカーにつないだ。結果は2位だったが「チームとして表彰台に上がることが目標だった。2位とは思わなくて…。みんなで2位をとれてよかった。(第3泳者としては)全員抜けると思わなくて、それがうれしいです」と振り返った。

予選は第1泳者として登場。54秒94を泳ぎ、トップで第2泳者につないだ。予選後は約3週間ぶりのレースに「MVP(の受賞)で帰ってからも、疲れが抜けなくて、脱力感も大きくて。こんなにやる気がでないものかと、心の疲れもすごかったです」と苦笑い。それでも8日から国体に向けて奈良県内で東京代表の合宿に参加。「奈良にきてからはやるしかない、と思って、調子も上がってきました」と笑顔を見せた。

12日には東京五輪の競技日程が決まった。池江は、午前決勝について「日本で開催するので、日本(の時間)に合わせてほしかったなと思います。だけど、もう決まったことなので」とすぐに本番を見据えた。その上で本命の100メートルバタフライが自身最初の出番になることについて「(16年)リオ(五輪)でもそうだったと思いますが、1発目で自分としても競泳陣としてもいい流れを作りたい。五輪は全世界の人が注目する試合。プレッシャーを自分のものにして戦えるか、まず自信を持ってスタートすること。勝てるレースをしたい」とした。

この日は、アジア大会6冠獲得の「凱旋(がいせん)レース」ともなった。池江の登場に、福井県の地元ファンらは一斉にスマートフォンやカメラをプールに向けた。注目を集める18歳は「たくさんの人が見に来てくれた。(東京の)辰巳(国際水泳場)だけではなくて、いろんなところを飛び回って、泳ぐことで、いろんな方にスポーツに触れてほしいと思います」と明るい表情だった。