日本重量挙げ協会の理事会が15日、都内で行われ、理事会後、小宮山哲雄専務理事らが女子日本代表監督を兼務する三宅義行会長(72)がパワハラ疑惑を一部で報じられた件について会見を開いた。

小宮山専務理事は、1日に行われた協会常務理事会でパワハラの件を議題に上げた古川令治常務理事について、同常務理事が一部マスコミに語った内容に誤りがあると指摘し、マスコミにリークした同常務理事へ憤りをあらわにした。

小宮山専務理事は「特に夕刊紙では、いろいろ出ていると思うんですが…今日、本人にお伝えしたのは『事実を確認をした上で出していますか?』ということ。事実でないものが結構、載っている。例えば会をやった場所から違うし、組織の形態の内容も違うし。それを平気で出してしまうと…」と指摘した。

一部報道では、1日の常務理事会は東京・渋谷区の岸記念体育会館で行われたと報じているが、会見で報道陣に配布された「『三宅義行会長に対するパワーハラスメントの疑い』について」と題した書面では、常務理事会はこの日、会見が行われた味の素ナショナルトレーニングセンターだったと記されている。それ以外の事実と異なる点について、同専務理事は「事実でないものは何ですか? という質問には答えませんが」とした。

また小宮山専務理事は「常務理事会で話して、その後、議事録にも書いてあるんですが、それだったら次の方法があるんじゃないですか? と。いきなりメディア…というのは、普通はないんじゃないでしょうか?」と主張。「やはり、もっと他の公的な機関を使うということが本来なら必要であると考えます」と、マスコミを使っての告発に疑問を呈した。

会見に先立ち、古川常務理事は味の素ナショナルトレーニングセンターを退出しつつ、その間に報道陣のぶら下がり取材に応じた。その中で「本人は訴えられるわけ、ないですから。自分が動いたりしたら、クビになっちゃう。非常に立場が弱いわけですから。動けば会社で働いているわけだから。そういう関係があるわけですから」と、三宅会長から13年にパワハラを受けたと指導者に報告した元女子選手が所属した企業が、レスリングと深い関係の会社であることを示唆。「私は外部の人間ですので、いつクビになってもいい。重量挙げが、メダルを取ってくれればいい…そのためには、過去の過ちをきれいにしなければいけないですから」と主張した。【村上幸将】