日本が1次リーグで敗退した。A組最終戦で世界ランク12位の日本は同7位のアルゼンチンを3-2(26-24、20-25、30-32、25-20、15-13)で破って2勝3敗で並んだが、勝ち点で1差及ばず5位に終わり、2次リーグ進出条件の4位以内に届かなかった。

日本がアルゼンチンを上回るには3-1以上の勝利が必要だった。

セットカウント1-1で迎えた第3セットが分かれ目だった。17-13から柳田がアタックアウト、福沢、西田がブロックにつかまるなど4連続失点で追いつかれ、逆転された。そこから粘ってジュースに持ち込み、相手のセットポイントを5度しのぎ、途中で2度セットポイントを握りながら勝ちきれなかった。勝負どころで相手の攻撃を止められず、拾えない。このセットでリベロの古賀がボールを追って客席に飛び込み、負傷退場。その気迫に応えるよう続く2セットを連取して意地だけは見せた。

中垣内監督は敗退の悔しさをかみしめるように言った。「身長、パワーは最初から違う。拾って、つないでつないで勝機を見いだす、サーブを走らせるといったことが最後まで出せなかったのが大きな課題。理由はこれから検証したい」。

サーブで崩し、ブロックとレシーブの連係を含めたトータルディフェンスによるブレークの強化を図ってきたが、完成には遠い。クイック、パイプ(速いバックアタック)を軸にした中央からのテンポアップした攻撃を目指したが、高橋、李博の故障離脱もあって十分に機能しなかった。藤井、関田のセッター併用も微妙なコンビの乱れにつながった。

主将の柳田は「結果が出なかったことに責任を持たなければならない。ファンのみなさまや戦線離脱した選手に申し訳ない。(3セット目を)取りきれないのが今の日本、自分自身なのかなと。自分たち、僕自身の実力が足りなかった」と言葉をつないだ。この試合で先発を外れた石川は「もっと1つ1つ成功を増やしていかなければ。もっと1点を大事にしないといけない」と淡々としたコメントにふがいなさをにじませた。

開幕直線に左の膝、足首を痛めた西田は、ベルギー戦に続くチーム最多の30得点。18歳のオポジットは世界選手権に堂々とデビューしたが「(世界とは)何かの差があった。その差を見ることができたのもよかった」と厳しい表情だった。

2大会ぶりの出場でベスト8相当を目標に掲げたが、ベスト16に残れなかった。これまで出場した中では98年の15位を下回る最低の成績。それでも中垣内監督は「前回は出ていないし、ステップアップはしている。我々が次に進んでもトップチームと互角に試合ができるレベルではなかったが、方向性は間違っていない」。この敗退を糧に20年東京五輪へ強化を進めていく。

(増井麻里子通信員)