フィギュアスケート男子で五輪(オリンピック)2連覇の羽生結弦(23=ANA)が平昌(ピョンチャン)冬季五輪以来初実戦のSPで97・74点と高得点をマークし、首位発進した。五輪後は右足首の治療のため、1カ月間療養に専念し、3月の世界選手権は欠場。これが2月17日の五輪フリー以来、217日ぶりの実戦復帰となった。

新たなプログラムは「秋によせて」。「自分のために滑りたい」という思いから、幼少期に憧れた米国のジョニー・ウィアー氏がかつて使用した曲を選んだ。上半身が白と青の華やかな衣装に身を包んだ羽生は、ゆったりと滑り始め、冒頭の4回転サルコーをきれいに着氷。得意の3回転半も美しく決めた。4回転トーループ、3回転トーループの連続技はやや乱れたものの、最後は情感込めた美しいステップで王者の風格をみせつけた。スピンが0点になるなどミスもあったことから、試合後は「悔しいです」と話したが、「ジャンプ跳べてなんぼだと思うので、まとまったのはよかった」と3つのジャンプすべてを跳べたことを喜んだ。

五輪2連覇の王者として臨むシーズン。8月には「スケートを楽しむこと自体を感じながら滑りたい」と話していたが、それでも試合の緊張感は変わらなかった。「いつも感じていたとおり、不安はありました。それはけがから、ということだけでなくて、新しいプログラムであったり、そういうことに起因していると思う。試合でジャンプを跳ぶこととか、スピン、ステップやることを久しぶりに味わうことができたので、これを明日につなげるようにしたいです」。

22日(日本時間23日)のフリーでは、憧れのエフゲニー・プルシェンコ氏にオマージュをささげる「Origin(オリジン)」を初披露する。