日本大学水泳部の上野広治監督(59)は26日、都内で会見を開き、6日に横浜国際プールで行われた日本学生選手権の公式練習の際に、部員同士の暴力行為があったと発表した。2年生の男子選手が準備中に居眠りしていて、上級生の3年生が暴力をふるったという。

同監督は、被害者本人に傷害事件にするかどうか確認した結果「部内での将来的な次へのスタートがあるので、解決ができるということで判断しましたし(被害者本人からも)その回答も出たので(加害者が)謝罪した」と語り、傷害事件にはせず、部内で解決することしたと説明した。

この日は、被害を受けた部員の母親も会見に同席した。母親は「傷害事件にするか、という話があった。その中、夫が息子に『20歳なので自分で判断しなさい』と言うと、息子は『暴力があったのは事実だけど、傷害事件として扱わなくていい』と言いました」と監督の発言に同意した。

上野監督は、暴力があった当時の状況も説明した。同監督によると、日本学生選手権の公式練習が行われた大会前日6日、準備をしていた被害者の2年生がプールで寝てしまったという。この日はレギュラー組はホテルに泊まり、レギュラー以外の2、3年生約10人の部員は寮に戻ったが、そこで3年生が被害者の2年生に注意したという。

その後、準備をしていた面々は1度、解散したが、その後、被害者の2年生が居眠りした理由が、一睡もしないでゲームしたからだという話が出た。そこで3年生2人と被害者の2年生が再度、部屋に戻って話をする中、不謹慎という判断で被害者の2年生を会場に行かせるか、行かせないかという議論になったところから暴力に発展したという。時間帯は、同日午後8~9時の間だったという。

3年生の1人が胸ぐらをつかんで押さえたが、もう1人の3年生が被害者の2年生の髪をつかみ、馬乗りになって肩を強く握ったりしたという。さらに、押し倒しながら起きない被害者の上に乗り、肩を強くつかむことを繰り返し、「4年の最後のインカレに臨む気持ちが分からないのか」など言ったという。殴ったか否かについては「1発、胸だとか腕だとかという状況の中で。何発かという部分は(被害者加害者双方で)違いはあります」と説明した。

被害者の2年生は、胸に痛みがあり、左腕にあざができたという。上野監督は「胸の痛みはCTで撮って1、2週間たって痛いというなら、ひびが入っている可能性がある。腕は打撲」と説明した。一方、被害者の母親は「肋骨(ろっこつ)は治ったみたいですけど、2、3日は『帰省するのに、バッグを持つのが痛いような気はした』とか。ここ(腕)は『全然、OK』とか言っているくらいで」と患部に問題がないと説明した。【村上幸将】