男子SPで10年バンクーバー・オリンピック(五輪)銅メダルの高橋大輔(32=関大KFSC)が4年ぶりに実戦復帰し、77・28点で堂々の首位発進を決めた。

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まず、同世代で一緒に戦っていた立場として、この年でよくここまで状態を戻してきたなと頭が下がる。やらされているのではなく自分の意思でやりたいことをやっているというのが伝わってきた。一緒に氷上で戦った者しか味わえないことだと思うが高橋選手にはリンク自体を自分の空間にする力がある。スケーターとして、それは能力のうちの1つ。それは以前とまったく変わらないように感じた。独特の雰囲気の作り方がある。今日一緒に戦った選手らは勉強になったことだろう。

ただ、足を故障した影響もあったからか、体の動きはまだまだと感じた。ジャンプやステップのキレは、4年前までの高橋選手の演技をそばで見ている僕からすると、100%ではない。ジャンプもまだ回転や着氷に不安が残る。「まだやり残したことがある」という彼の言葉を信じるなら、もっともっといろんな新しいものを見せてくれると思う。(10年バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト小塚崇彦)