世界12位の錦織圭(28=日清食品)が力尽きた。4大大会20勝を誇る同2位のロジャー・フェデラー(スイス)に4-6、6-7のストレートで敗れた。

フェデラー相手に、あまりにも滑り出しが悪かった。第1サーブが入らず、課題の第2サーブを狙われ、後手後手に回った。錦織もストロークの展開は早いほうだが、フェデラーはそれ以上。加えてサーブ力、ネットプレー力があり、その圧力は並大抵ではない。

そのためにも最初から第1サーブの確率、特に大事なポイントでの確率や正確なプレーが求められる。錦織も第2セットの1-3から追いつき、そこから互角のプレーを見せたが、やはり、それでは遅い。

ただ最初から飛ばせば、小柄でパワーがない錦織はどこかで調子が落ちる可能性が高い。痛しかゆしだが、少なくとも第1サーブの確率だけは上げておくべきだったろう。

しかしベスト8進出と、エドムンド(英国)が準々決勝で敗れたことで、15日発表予定の最新世界ランキングで11位、最終戦出場を争うレース順位で9位が確定。トップ10復帰と、最終戦出場権獲得に、ともに残りランク1つに迫る。

錦織の今後の出場大会は、22日からのエルステバンク・オープン(ウィーン)と、29日開幕のパリ・マスターズ(パリ)の2大会。右手首の腱(けん)の脱臼から復帰した今年、これほどまで早く復活できたのは驚くほどの進歩だ。ただ、ここはもう1つ、欲を出してトップ10と最終戦の望みをかなえたい。