ロシアの14歳で注目を集めるアレクサンドラ・トルソワが、また規格外の偉業を成し遂げた。

ショートプログラム首位で臨んだフリーの冒頭に、国際スケート連盟(ISU)公認大会では女子で初めてとなる4回転ルッツに成功。

フリーもトップの146・81点を記録し、合計221・00点で優勝した。日本の横井ゆは菜(18)は184・09点の3位、荒木菜那(16=ともに愛知・中京大中京高)は165・80点で5位となった。

トルソワが現在の4回転の最高難度にたどり着いた。アクセル(4回転半)を除いた5種類のジャンプで、最も基礎点が高いルッツ(基礎点11・50点)。平昌五輪金メダリストのザギトワらと同門の14歳は、冒頭で高さのある4回転ルッツを成功させた。出来栄え点は+-0。だが、男子でも世界王者のネーサン・チェン(米国)ら数人しか成功させていない大技を決め、世界に衝撃を与えた。

ジュニア2年目のトルソワは昨季、ジュニア・グランプリ(GP)ファイナルと世界ジュニア選手権で優勝。向かうところ敵無しで、この日の結果で2年連続のジュニアGPファイナル(12月、カナダ・バンクーバー)進出を決めた。

同大会はジュニアGPシリーズ2試合の結果で出場者が決まるが、2年連続で6人中5人がロシア勢。国内大会では他にも4回転ジャンプを成功させる選手が出てきている。トルソワは3月の世界ジュニア選手権でトーループ、サルコーと女子史上初のフリー2本の4回転ジャンプを成功させており、22年北京五輪に向けて、ジュニアの人材育成も進んでいる。