世界ランク6位の日本は同3位のセルビアに0-3(19-25、18-25、23-25)で敗れ、準決勝進出へ後がなくなった。2次リーグで3-1と逆転勝ちしたリオデジャネイロ五輪銀メダルの欧州女王相手に連勝を狙ったが、高さとパワーに屈した。

完敗に中田久美監督(53)は吹っ切れた表情だった。「メダル獲得へ大事な試合だった。流れが来る場面もあったが、強いチームに対してそこで点につなげられなかったのが課題です」。

サーブがカギになると踏んでいた。ところがセルビアの強いサーブにレシーブを崩されて、パスがセッターに返らない。ミドルの速攻や移動攻撃を軸に両サイド、バックアタックと、多彩な攻撃で高さに対抗するはずが、逆の展開になった。2段トスからの攻撃を3枚ブロックではじき返され、打ち込んでも拾われる。日本のやりたいバレーを逆にセルビアにやられてしまった。

これまで大事な試合に途中出場し、ことごとく流れを変えてきた石井が黒後に代わって先発した。長岡、古賀を含めて攻撃的なオーダーで試合に入ったが、レシーブが乱れて空転。試合開始からアクセルを踏み込んだセルビアの圧力に、セッター田代のトスも「相手の高さを意識して迷ってしまった」と微妙に乱れた。古賀、石井のスパイクは威力も欠いた。「固くなって打ち切れなかった。そこを無理して打ってシャットされてしまった」と、“ラッキーガール”石井の顔もこわばった。

「スパイカーの技術が足りない。安易に打つのではなく、相手のブロックを利用したり、相手のエースの体勢を崩したりと、考えて打たなければ」と中田監督は選手に注文をつけた。

目標のメダル獲得へもう負けられない。3次リーグは6チームが2組に分かれ、各組上位2チームが準決勝に進出する。15日には世界7位ながら今大会無傷の9連勝のイタリアと対戦する。負ければ4強の可能性は消える。今大会、激戦をくぐり抜けてきた中田ジャパンは、立ち直ることができるのか。