バレーボールVリーグ男子のサントリーに「ビッグ」な新戦力が加入した。

17日、大阪市内で新シーズンに向けての記者会見を実施。前日16日に来日したばかりで、リーグ最長身の218センチを誇るロシア代表ドミトリー・ムセルスキー(29)も出席した。12年ロンドンオリンピック(五輪)金メダルに貢献した新助っ人は「全力を尽くして、このチームに貢献する。自分のマインドをしっかりと発揮したい」と12季ぶりの優勝へ決意表明。2シーズン目を迎える荻野正二監督(48)は「熱が出ない限り、もちろんスタメンです」と26日に控えたJTとの開幕戦(東京・大田区総合体育館)での起用を見据えた。

規格外だらけのムセルスキー。まずはその「ビッグ」な体格だ。218センチの身長で靴のサイズは34センチ。チームジャージーはもちろん特注で、関係者は「バスや飛行機での移動が大変だね」と苦笑いする。最高到達点は約370センチと世界トップクラスで、この日初めて練習を共にした身長190センチの藤中謙也主将(25)は「とにかく大きくて、圧倒された。同じコートに入ると頼もしく、相手のコートに入ると威圧感がある」。日本代表として数多くの経験を持つ荻野監督も「2メートル18は体験したことがない。しっかりと体もつくってきてくれた」とうなずいた。

実績も「ビッグ」だ。ロシア代表の一員として五輪の頂点に立った経験だけでなく、13年には欧州選手権、ワールドグランドチャンピオンズカップのMVPも受賞。今年のネーションズリーグでもスパイク賞を手にした。

29歳は老け込む年齢でもなく、ミドルブロッカー、ウイングスパイカー、オポジットとさまざまなポジションもこなせる。ムセルスキー自身も「バレーをしている中で、日本人選手の成長を見て、いい印象を受けていた。若い選手の育成に関して、日本は力を入れている。それを自分の目で見てみたかった」と意欲的だ。

清水雅之ゼネラルマネジャーは「過去のリーグを見ても、最長身だと思う。世界を見渡しても218センチはトップクラス」と説明。ムセルスキーの来日前には夏合宿などで「つなぐバレー」を徹底し、個々の実力アップを図ってきた。開幕までは残り9日。昨季6位からの「ビッグ」な巻き返しに、注目が集まる。