女子バレーボール世界選手権で日本代表の新エースに名乗りを上げた黒後愛(20=東レ)が、よりスケールアップした姿で代表に復帰することを誓った。21日、東京都港区のアクアシティお台場で、11月3日に開幕するVリーグ女子のプロモーションイベントに出席し、「また代表に呼ばれたいし、代表でもっと活躍したい。そのために私には目の前のリーグしかないです」と心境を明かした。

世界選手権の5位決定戦で米国に敗れたのが19日。翌20日は宇都宮市の実家に戻って一家だんらんもつかの間、この日のイベント後はそのまま東レの本拠地、滋賀県大津市に戻った。「オフ? (どのくらいあるか)分からないです」と明るい笑顔で疲れも感じさせなかったが、実家でテレビ観戦したセルビアとイタリアの決勝の話になると表情が引き締まった。

「両チームともエースの選手が気迫あるプレーでチームを引っ張っている印象で、ボールもなかなか落ちないし、見ている人が心を動かされる試合だったと思います」。優勝したセルビアのボシュコビッチは21歳、イタリアのエゴヌは19歳。同世代のエースが躍動する姿に「自分もあの場に立ってプレーしてみたい」と言った。

1次から2次、3次リーグと戦いのステージが上がるにつれて強国のスピードサーブの標的にされ、サーブレシーブを崩された。スパイクもシャットアウトされるケースが増え、大会終盤は先発しても第1セットでベンチに下がるパターンが続いた。それでもオランダ、セルビアの監督が印象に残った選手として「日本の21番」と挙げたように、代表デビューのシーズンに日本NO・1のパワフルなスパイクで大きなインパクトを残したのは間違いない。

Vリーグで克服しなければならない大きな課題がサーブレシーブ。「全部のボールを返すつもりでやります。チームの勝利のために自分が何ができるか。リーグ戦を1試合でも長く戦いたい」。1年目の昨シーズンは最優秀新人賞に輝いたが、チームは6位。攻守両面でチームの勝利に貢献することが、黒後の成長に、日本代表のステップアップにつながる。【小堀泰男】