日本卓球女子のエースで世界ランク4位の石川佳純(25=全農)が22日、前日に自身のブログで引退表明した福原愛(29=ANA)に感謝の思いを語った。12年ロンドン、16年リオデジャネイロの両オリンピック(五輪)団体ではともに戦い、連続メダルを獲得。「仲間であり、すごく偉大な先輩でした」。福原の引退で日本代表の最年長になる可能性が高い。20年東京五輪での3大会連続メダル獲得への決意も語った。

福原の引退を、石川はしっかり受け止めた。この日は愛媛・松山市総合コミュニティセンターで、日本卓球リーグの愛媛銀行戦に、日立化成の一員として出場。その後に取材に対応した。福原からは、前日21日の昼間に直接連絡を受けた。「26年も卓球をやってこられた。少し休んでください、お疲れさまです、という思い」と冷静だった。

「先輩」で「ライバル」で「仲間」だった。「日本代表で、国際大会で10年以上一緒にやってきた仲間ですし、すごく偉大な先輩」。15歳だった08年、初の世界選手権で、日本代表で初めて福原と一緒になった。

「今は仲間という意識が強いんですが、私が小学生の頃は憧れの存在。(ともにメダルをとった)平野(早矢香)さんからと同じように、背中から本当に多くのことを教わった」。最も刺激を受けたのは「勝負に対する姿勢。絶対に準備を怠らないプロ意識」だという。思い出は多すぎる。「ロンドン五輪(女子団体銀)で日本で初のメダルをとったこと。(同じく銅メダルをとった)リオも一緒に戦った」と感慨深げだ。

ただ、必要以上に感傷に浸ってはいない。「私が日本代表で最年長になる。その自覚は持っていきたい」。来年には20年東京五輪出場をかけた戦いが始まる。「オリンピックは選手が人生をかけて、出場権を勝ち取る場所です。もちろん、寂しさはありますが、今の仲間もすごく心強い。まずは(五輪の)出場権獲得。最終的な目標は金メダルです」。かつては福原に憧れた少女が、堂々たるエースとして日本卓球女子を引っ張っていく。【加藤裕一】