20年東京オリンピック(五輪)で金メダル量産を目指す体操ニッポンに、追い風が吹いた。

東京大会組織委員会は12日、体操(体操、新体操、トランポリン)の器具に日本メーカー「セノー」など3社の企業連合と契約する方針を明かした。3日に閉幕した世界選手権(ドーハ)で中国製の器具に苦しんだ日本にとって朗報。5日までに内定したもので、年内にも正式契約するという。

世界選手権で11年ぶり金メダル0に終わった日本だが、原因は硬く、反発力の少ない器具にもあった。男子床運動で3連覇を狙った白井健三は武器の「シライ3」を断念し、難度を落として銀メダル止まり。男子団体も銅メダルだった。

この日、練習を公開したエース内村航平は「特に跳馬と床運動。跳馬は力が吸収される感じ。ゆかは、はね返りが遅く、弱かった」と振り返った。「体重がある選手ならいいが、軽い日本選手にとっては難しい器具だった」とパワーに劣る日本勢が反発力のなさに苦しんだ理由を説明した。

国際体操連盟(FIG)は五輪で採用する器具として「セノー(日本)」「アベオ(フランス)」「ユーロトランプ(ドイツ)」3社の企業連合とともに世界選手権で使われた中国メーカー「泰山」を提案していた。組織委員会は「総合的に判断して」3社を選択したが、中国製に決まっていたら東京五輪でも日本が苦しむ可能性があった。

器具の影響が大きいと言われる体操競技。採用される器具が日本メーカーのものに決まり、体操ニッポンは不安なく金メダルラッシュを目指せる。