日本カヌー連盟の古谷利彦専務理事は13日、昨年17年9月のスプリント日本選手権において小松正治(26=愛媛県体協)の飲料に禁止薬物を混入させた鈴木康大元選手(33)が、11日に石川・小松で行われている日本代表合宿を訪れ謝罪したことを明かした。

古谷専務理事は「実際に金銭や金品を奪った選手や関係者におわびをしたいとの思いから訪れたとのことでした。鈴木は『申し訳なかった』と謝罪していました」と話した。

日本連盟は今後も選手のインテグリティー(高潔性)を高める教育に力を入れる。12月21日のジュニア、シニアのスプリント合宿でも日本オリンピック委員会(JOC)のインテグリティー講習会を行うことになっており「継続して教育をやっていく」と説明した。

 

◆カヌーの薬物混入問題VTR 昨年9月11日、石川・小松市で行われたスプリント日本選手権で、鈴木元選手は小松の飲料水ボトルに禁止薬物の筋肉増強剤メタンジエノン1錠を混入。レース後のドーピング検査の結果、小松は陽性と診断された。日本連盟も聞き取りを行い、10月20日に鈴木元選手が古谷専務理事に自白、現金やパドルの窃盗や破損についても発覚した。鈴木元選手は日本アンチ・ドーピング機構(JADA)からは8年間の資格停止処分を受け、今年6月に日本連盟から除名された。7月には石川県警に偽計業務妨害の疑いで書類送検され、10月には小松との間で示談が成立、同月16日には起訴猶予処分を受けている。